平成17年7月27日公開
2005年は第二次世界大戦終結から60年である。ヨーロッパ大陸、アジアにおいてかつてない大規模な総力戦が展開された。第二次大戦後の60年 の世界も、けっして平和であったわけではない。戦争終結直後からの米ソ冷戦と朝鮮半島、ヴェトナムでの熱い戦争。ソ連邦の崩壊後の旧ユーゴスラヴィアに象 徴される民族紛争の多発。そして現在、唯一の超大国アメリカの国際的覇権に起因するテロと戦争が世界を揺るがしている。しかし、その一方において、EU統 合、アジア諸国の目覚しい経済発展、COP3に代表される地球規模での環境問題への協調体制、NGOによる国際的な公共問題への取り組みなど、国境の壁を 越えた人びとの連帯も強まっている。いったい、世界は第2次世界大戦に何を学び、どのように生きてきたのだろうか。戦後60年を機に、日本のみならず国際 社会にも視野を広げて、戦後世界を検証してみることにする。
第1回では,ヨーロッパの戦後60年、ことに日本と同様に第2次大戦の敗戦国であったドイツとイタリアにおける戦後の社会経験が省察される。政治
史、思想史的視野から、日本とヨーロッパの戦後史の反省のありようが対照されるであろう。
第2回では,日本の政治と経済に焦点をあてて戦後60年が論じられる。一方で、政治史的視角から日本の戦後史が大局的に考察されるとともに、他方で日本
経済の戦後60年がとくに「アジアのなかの日本」という広域的視野から省察される。
第3回では,日本国憲法の60年がテーマとなる。憲法のあるべき姿が今日ほど総体的に問われていることはないが、憲法そのものの解釈史、憲法と政治・行
政との関わりに焦点をあてて戦後60年を振り返り、今日的論争への視点が提供される。
第4回では,日本経済の戦後60年が、とくに財政構造の変容ならびに農業の地位との関わりで論じられる。日本の財政の60年が日本経済の発展のなかで省
察される一方で、産業構造の変容のなかで農業の戦後史と今日的問題が考察される。
戦後60年の節目に立って、日本やヨーロッパが戦後60年をどう生きてきたのかを省察することで、今日の世界と日本が抱えている課題性、あるべき 方向性や展望が少しでも浮き彫りにできればと考えております。
多数の皆様の積極的なご参加をお待ちしております。
1 日程・講義題目および担当講師
日 時
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講 義 題 目
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担 当 講 師
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10月8日 | 12:15〜12:50 | (受付) |
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13:00〜13:10 | (開講式) |
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13:10〜16:00 | ヨーロッパの戦後60年 |
千葉大学法経学部教授 湯本 國穂
千葉大学法経学部教授 石田 憲 千葉大学法経学部教授 内村 博信 |
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10月15日 | 13:00〜16:00 | 日本の戦後60年 |
千葉大学法経学部教授 天野 昌功
千葉大学法経学部教授 宮崎 隆次 一橋大学名誉教授 篠原 三代平 |
10月22日 | 13:00〜16:00 | 日本国憲法の60年 |
千葉大学大学院専門法務研究科
鈴木 庸夫 千葉大学大学院専門法務研究科 岩間 昭道 千葉大学法経学部教授 新藤 宗幸 |
10月29日 | 13:00〜16:00 | 日本経済の60年 |
千葉大学法経学部教授 柳澤 悠
千葉大学法経学部教授 松田 忠三 元千葉大学法経学部長 唯是 康彦 |
16:00〜 | (閉講式) |
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2 会場
3 募集定員
4 申込方法
5 受付期間
6 受講料
7 その他
8 申込および問い合わせ先
〒 263-8522
千葉市稲毛区弥生町1番33号
千葉大学法経学部学務第二係
電話 043(290)2351
平成17年度法経学部公開講座委員会
委員長 新藤宗幸