平成18年8月15日公開
いま格差社会についての関心が 高まっています。日本の所得・資産格差の拡大、若年者における「働く貧困層」の増大、地域間格差の深刻化など、日本の格差問題は日本社会の将来を左右しか ねないほど重大な問題になりつつあります。
格差の拡大という事実について は多くの観察が一致するとしても、それをどう説明し評価するか、どのような施策が必要なのかについては、さまざまな意見が並存し対立しています。格差拡大 の主因を日本社会の高齢化に求める説、若年層におけるニートやフリーターの増大に最深の社会病理をみる見方、現政権下での規制緩和が格差を助長したという 主張、などなど。この講座では、こうした日本社会の格差問題をめぐる多様な議論を、社会科学的視野ならびに国際比較の視点から立ち入って検討したいと思い ます。
そもそも格差とは何であり、ど の程度の格差なら容認できるのか。日本の社会・経済格差の現状をどう説明し評価するか。国際比較からみて日本の格差の特徴はどの点にあるか。そして、日本 の格差問題に対して政治はいま何をなすべきか。おおよそこれらの問題について、法学、経済学、社会学、政治学の領野から学界や論壇で精力的に発言している ラインナップが、縦横無尽に論じます。
今日の格差問題の適切な診断と それへの有効な処方箋の提示は、日本の将来像を考えるうえで必要にして不可欠な問題かと思います。この枢要問題を聴者の皆様と共有しつつ、講義と討論のな かで今後の日本社会の方途を探ることができれば大変幸いでございます。
多数の皆様の積極的なご参加を お待ち致しております。
1 講座題目
日
本は格差社会か?
10月7日(土)/14日(土)/21日(土)/28日(土)
3 講義題目・担当講師
10月7日(土) 共通論題:平等権と格差
司会: 小賀野 晶一(千葉大学大学院専門法務研究科教授)
講師: 藤井 俊夫 (千葉大学大学院専門法務研究科教授)
講師: 嶋津 格 (千葉大学大学院専門法務研究科教授)
原理的に考えるとともに、憲法学の視点から「平等権と格差」の関係に
ついて論じます。
10月14日(土) 共通論題:日本の経済格差・階層格差
司会: 武蔵 武彦 (千葉大学法経学部教授)
講師: 佐藤 俊樹 (東京大学大学院総合文化研究科助教授)
講師: 大石 亜希子(千葉大学法経学部助教授)
日本の経済格差と階層格差の現況と、その是正の展望について、最新の
統計データやアンケート調査を紹介しながら、経済学と社会学の視点か
ら論じます。
10月21日(土) 共通論題:ヨーロッパの格差、アジアの格差
司会: 石田 靖
夫 (千葉大学法経学部教授)
講師: 宮島 喬 (法政大学大学院社会学研究科教授)
講師: 柳澤 悠 (千葉大学大学院人文社会科学研究科教授)
アジア地域の格差問題について論じ、国際比較の眼をもって日本の問題を
相対化します。
10月28日(土) 共通論題 :日本の格差問題と政治
司会: 関谷 昇 (千葉大学法経学部助教授)
講師: 新藤 宗幸 (千葉大学法経学部教授)
講師: 坪井 ゆづる(朝日新聞論説委員)
何をなすべきかをシャープな現場感覚をもって論じ、鮮明な改革ビジョン
を示します。
4 会 場
5 募集定員
100名 (定員になり 次第、締め切らせていただきます。)
6 申込み方法
「はがき」にて、ご住 所・氏名・性別・年齢・職業・電話番号を記入し、
下記の送付先にお申し込 みください。
送付先: 〒263−8522
千葉市稲毛区弥生町1番33号
千葉大学 法経学部学務第二係
電話 043(290)2351
7
受付期間
平成18年9月1日(金)
〜 9月29日(金)
8 受講料
7, 2 0 0 円
9 その他
自動車での入校はご遠慮 ください。
〒 263-8522
千葉市稲毛区弥生町1番33号
千葉大学法経学部学務第二係
電話 043(290)2351