平成19年度 法経学部公開講座のお知らせ

平成19年7月26日公開

 私たちは憲法をどのように捉えてきたでしょうか。たぶん、「空気」のように感じてきたのかもしれません。憲法は各種の税法や道路交通法のように、身近なもの、あるいは否応なく意識せざるをえないような法律とは、あきらかに違っています。

 とはいえ、このところ急速に憲法をめぐる議論が隆盛し、好むと好まざるとに関係なく、憲法を考えてみなくてはならない情況が、日増しに強まっているように思えます。

 現行の日本国憲法は、194753日に施行されました。当時の憲法施行についてのニュースをあらためて辿ってみると、国民主権、戦争の放棄、政治活動や言論・集会の自由、生存権や社会権の保障など、どの規定をとりだしても、人びとは新憲法の制定を喜び、一点の曇りもない秋の空のような解放感に浸っている様子が伝わってきます。

 しかし、日本の独立、戦後経済復興、さらにはその後の驚異的経済成長とともに、現行憲法への批判的言説が展開されるようになっていきました。それでも、1990年代後半までは、政治は憲法の「改正」、あるいは「自主憲法」の制定を、強力に打ち出すことはありませんでした。憲法をめぐる「風景」があきらかに変わりだしたのは、90年代後半さらに21世紀に入ってからであるといってよいでしょう。

 いったい、いま、なぜ、憲法の「改正」や新憲法の制定が言われるのでしょうか。現行憲法は、それほど時代情況に適応力を持たなくなっているのでしょうか。仮に、「改正」が必要だとして、それはどのような部分なのでしょうか。

 一般に憲法は「最高規範」と言われます。けれども、それは単に法令等の上位の規範ではありません。主権者たる国民が統治者をコントロールするための規範です。その意味で、「空気」のような憲法を、あらためて「必需品」と認識し、大いに議論することは主権者の責務であるといえます。

 本年度の公開講座では、まさにこうした観点から、現行憲法を冷静に見詰めつつ、憲法のあり方を探っていきたいと思います。

 1 講座題目

憲法「改正」の風景

 2 開催日

  10月13日(土)/20日(土)

 3 講義題目・担当講師

10月13日(土)  共通論題: 平和主義と教育  

司会: 小賀野 晶一(千葉大学大学院専門法務研究科教授)

講師: 西原 博史 (早稲田大学社会学部教授)

講師: 岩間 昭道 (千葉大学大学院専門法務研究科教授)

10月20日(土) 共通論題: 憲法改正の限界 

司会: 皆川 宏之 (千葉大学法経学部教授)

講師:   美矢紀 千葉大学法経学部教授

講師: 坂口  正二郎一橋大学大学院法学研究科教授)

 4 会 

千葉大学大学院人文社会科学総合研究棟 マルチメディア会議室(地図は会場案内図」参照→R番の建物です)

 5 募集定員

100名 (定員になり次第、締め切らせていただきます。)

 6 申込み方法

    「郵便はがき」または「FAX」、「E-mail」に、住所・氏名・性別・年齢職業・電話番号を記入し、
    下記の申込送付先までお申し込みください。

申込送付先: 〒263−8522

              千葉市稲毛区弥生町1番33号

                千葉大学法経学部学務グループ

                電話 043(290)235

 7 受付期間

    平成1日()〜 月2日(金)

 8 受講料

    3,500 円 

 9 その他

    自動車での入校はご遠慮ください。

〒 263-8522 千葉市稲毛区弥生町1番33

千葉大学法経学部学務グループ

電話 043(290)2350