平成21年度 法経学部公開講座のお知らせ

平成21年8月31日公開

 平成21年5月より、裁判員制度が施行されています。立法、行政、司法のうち、司法だけに「市民参加」が実施されていなかったのですから、これは日本における「市民社会」の成熟を示す画期的な変化になるのかもしれません。とはいえ、ある日突然「招集通知」が舞い込み、刑事裁判の裁判員になるように言われても、一般の生活者には不安感や負担感が尽きないことでしょう。「私の視点、私の感覚、私の言葉で参加します」というキャッチフレーズが喧伝されても、そもそも裁判員制度とは何か、裁判員の選任手続きや選任後の負担の度合、裁判・法廷での裁判員の役割とは何かを知らないかぎり、さまざまな不安感・負担感はついてまわります。
  そこで本公開講座では、法律の専門家としてのそれぞれの視点からこの裁判員制度について論じ、基本的な制度の理解のうえに率直な意見交換ができれば幸いに存じます。なぜ、いま、刑事裁判についての裁判員制度なのか。日本の裁判員制度は、英米の「陪審員制」と欧州の「参審員制」との折衷と言われるが、それはどのような意味か。この制度は国民の「司法への信頼」の向上を第一義的にうたっているが、それは「主権者としての国民の司法への参加」を保障することになるのかどうか。裁判が進行するなかで専門家たる裁判官の感覚・判断と素人生活者たる裁判員の感覚・判断とがどのように折り合いを付けられるのか。------ などなど、この制度に関してさまざまな疑問が湧いてまいります。
  この講座では、こうした問題群をめぐって、市民の意識調査や国際比較などの視角から幅広く論じます。この裁判員制度がどのように実施されていくのかに、日本における「司法への市民参加」、あるいは総じてこの国の「市民社会」の成熟度が問われているのかもしれません。本講座を通じてそうした日本社会の課題性の一端を考える機縁になれば、まことに幸いに存じます。
  多数の皆様の積極的なご参加をお待ちいたしております。

1 講座題目
裁判員制度を考える
2 開催日
10月17日(土)/24日(土)
3 講義題目・担当講師
10月17日(土) 共通論題:裁判員裁判のハードとソフト ―裁判員裁判の仕組みと人―
  司会: 金子 敬明(千葉大学法経学部准教授)
  講師: 松村 良之 (千葉大学人文社会科学研究科教授)
  講師: 笹倉 宏紀 (千葉大学法経学部准教授)
10月24日(土) 共通論題:裁判員裁判と犯罪被害者
  司会: 小賀野 晶一 (千葉大学法経学部教授)
  講師: 河原 理子 (朝日新聞編集委員)
  講師: 後藤 弘子 (千葉大学専門法務研究科教授)
4 会 場
千葉大学大学院人文社会科学総合研究棟 マルチメディア会議室(地図は こちら21番の建物です。)
5 募集定員
100名 (定員になり次第、締め切らせていただきます。)
6 申込み方法
 「郵便はがき」または「FAX」、「E-mail」に、住所・氏名・年齢・電話番号を記入し、
下記の申込送付先までお申し込みください。
申込送付先:
〒263‐8522
千葉市稲毛区弥生町1番33号
千葉大学法経学部学務グループ
電話 043(290)2350
FAX  043(290)2356
E-mail bhgakumu@office.chiba-u.jp
7 受付期間
平成21年9月1日(火)〜 9月30日(水)
8 受講料
3,000円
9 その他
自動車での入校はご遠慮ください。

〒263-8522 千葉市稲毛区弥生町1番33号
千葉大学法経学部学務グループ
電話 043(290)2350