千葉大学大学院社会科学研究院・法政経学部

千葉大学大学院社会科学研究院・法政経学部

Graduate School of Social Sciences, Faculty of Law, Politics & Economics

学部紹介

Program Overview

本学部の特色

 21世紀の4分の1が過ぎた現在、デジタル化や生成AIの急激な普及など、技術革新が急速に進む一方で、感染症、戦争、環境問題、民主主義の危機など世界的な大問題が複合的に起き、国内における少子高齢化、格差なども深刻になっていて、多くの政策課題が生じています。

我々の社会は多様な個人・組織で構成され、グローバル・ナショナル・ローカルといったレベルにおいて、法・政治・経済に関する多元的で多層的な要因が、人々の生活に複雑な影響を与えています。それゆえ今日の課題に対しては、特定の専門領域のみで対処することが困難である場合が多く、多様な分野の専門家が各々の専門性を発揮しつつ協力し合って課題に取り組んでいくことも必要になります。そしてこうした社会の諸課題に取り組むには、広い視野と専門の壁を乗り越える柔軟な思考力が求められます。

こうした課題の解決に向けて挑戦する人を育てることができるように、千葉大学は、2014年4月に社会科学系学部として「法政経学部」という全国的に新しい学部を創りました。本学部は法政経学科という一学科から成り、法学、政治学・政策学、経済学、経営・会計学という4つの専門分野のコースを配置しています。各コースには定員はなく、2年次に進級する際に自由にコースを選択できます。そして、1年次にはこれら専門分野の基礎科目を横断的に履修することで社会科学諸分野に対する広い視野を身につけ、2年次以降はいずれかのコースに所属して、学際的で専門的な知を獲得してもらうことを目指しています。

こうした本学部のカリキュラムを通してコース横断的な学修をすることにより、社会科学の諸分野を俯瞰しつつ、法学、政治学・政策学、経済学、経営・会計学の特定分野を専門的に深く学ぶことができます。社会科学のこれらの各分野を学際的かつ専門的に探究できるという点で、本学部は全国屈指の社会科学系複合学部です。本学部ではこうした学際性を十全に活用し、学生の皆さんが、社会を広い視野で俯瞰して、公共的な関心と知識を培い、課題に挑戦して解決方法を考え実践することができるように、国際的な観点から教育を行っています。

プロフェッショナルの養成

授業の様子(善積康夫教授) 授業の様子(善積康夫教授)

 本学部は1学科4コース制を敷いております。2年次に進級する際、学生は、1年次の学修を踏まえて、各自の興味や関心に従ってコースを自由に選択することができます。(なお、各コースに定員はありません。)

 コース制により専門性の深化をはかり、そして同時にコース間の横断的な履修により専門性の相互乗り入れを推し進めています。法政経学部で学ぶ学生は、広範な社会科学的教養に裏づけられた、高い学力を身につけることができます。

専門性の高いカリキュラム

 本学部は、1)社会科学分野の横断的履修と2)高い専門性の獲得を2つの柱とし、1学科4コース制(法学経済学経営・会計系政治学・政策学)のカリキュラムに基づく教育を実施しています。1年次には全学生が基礎ゼミナールに所属し、大学で能動的に学ぶ手法を身に付けるとともに、入門基礎各科目(法学、ミクロ経済学、マクロ経済学、経営・会計学、政治学など)の選択必修科目を通し、社会科学の基礎を学びます。2年次に進級する際には自己の関心に合ったコースを選択し、その後の3年間で中・上級科目を履修して専門性の獲得を図ります。それと同時に、他コースの科目も履修して社会科学の横断的知識を習得します。本学部の経済学コースを例にとると、コース所属学生の多くが、専門科目と並行し商法などの法律系科目や中東政治などの政治学系科目を履修しています。

多様な学びの機会

 法政経学部では、各学生の関心やニーズに応じた多様なプログラムを提供しています。例えば、経済学への関心が特に高い学生を対象に、1年次から専門教育を実施して3年間での卒業を可能とする経済学特進プログラムを設けております。法学コースは、法科大学院への進学を希望し、かつ早期卒業を目指すための教育プログラムとして、2016年度から法学特進プログラムを実施してきましたが、2020年度からこのプログラムを発展させた「法曹コース・プログラム」を新設しました。このほかにも、ゼミナールや海外フィールド・スタディ、実習型の授業や外国語教育、海外留学など、多様な学びの機会を提供しています。

問題解決能力の育成

 複雑化した現代社会の諸問題を解決するには、高度な専門知識を身に付けていることは当然ながら、他分野の専門家の考えを理解する広い視野、そして合意形成への道筋をつける運営力も必要となります。法政経学部では、特徴あるカリキュラムを通じて「問題解決のプロフェッショナル」たりうる高度専門職業人を養成します。在学中に海外留学や留学生との交流、あるいは各種のボランティア活動などに参加する学生も多く、多様な経験に裏打ちされた問題解決能力を育む環境が整っています。こうした能力は、民間企業ではもちろんのこと、国、地方自治体、法曹界、あるいは国際機関において大いに活用されることでしょう。

卒業後の進路

平成28年度法経学部・法政経学部卒業式にて(学部長・学長表彰者の皆さんと酒井啓子法政経学部長)

 法政経学部の前身である法経学部(法学科・経済学科・総合政策学科)は、社会に貢献する人材をこれまで数多く輩出してまいりました。(法政経学部は改組により2014年度にスタートしました。) 千葉大学法経学部及び法政経学部の卒業生は、多くの有名民間企業に就職しているほか、国家公務員・地方公務員試験、司法試験、公認会計士試験、税理士試験などにおいて優れた合格実績を上げています。近年では、より高い専門性やグローバルな視野の獲得、あるいは将来的な国際機関への就職などを目指して国内・海外の大学院に進学する学生も増加しています。経済学特進プログラムを受講し、3年早期卒業ののちに経済学専攻大学院に進学する学生もいます。(進路状況などに関する詳しい説明は、本学部パンフレットをご覧ください。パンフレットはこのページの右側の中程よりダウンロード可能です。)