千葉大学 千葉大学大学院社会科学研究院・法政経学部
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経済学コース

Major in Economics

経済学コースの目的

 経済学とは、人々が働き、生産し、所得を得、消費する事によって得られる満足や幸福を、どのようにすれば最大限に高める事が出来るかを主たる研究対象とし、処方箋を提供する学問です(元々「経」世「済」民とは、「世を治め人々を救済すること」を意味します)。

 現代社会には、さまざまな問題が山積みです。所得格差や世代間格差、国際的な貧富の差をどう解消するか、少子高齢化がもたらす負の影響を最小限に止めるためには何をすれば良いか、なぜ非正規雇用就業者の増加が我が国の貧困問題を悪化させているのか、そしてそれを改善するにはどのような施策が必要か、金融危機はどんな経路でこれほど長く暗い影を雇用や景気に落とし続けるのか、情報開示や規制緩和に依拠した自由な経済活動が求められるのはなぜか、等々が例として挙げられるでしょう。

 経済学は、こうした経済問題が発生し伝播するメカニズムを明らかにし、解決策を提示する学問です。幸いなことに、これまでの研究の進歩によって、多くの問題に対してかなり有効な処方箋が書けるようになってきました。経済学コースは、こうした多岐にわたる問題のメカニズムと解決策を学習し修得することを目的としています。

経済学の手法

 経済学は、他の学問と大きく異なり、現在から遠い将来にわたる満足や幸福を長期的視野に立って最大化しようと試みます(Forward-looking & long time-horizon)。興味深いことに、多くの場合、遠い将来の満足や幸福を軽視せず、将来全体の満足度を向上させることが大切であることが証明されています。近視眼的な発想は、大抵の場合最善の策ではないのです。

 ところが、遠い将来のことを具体的に考えるわけですから、難しい問題がいくつも立ちはだかります。経済学は、過去の教訓や現時点で得られる可能な限りの情報を駆使してこの難題に挑みます。情報は、データ解析や統計学、数学手法を用いて分析され、将来の予測や計画に反映されます。経済史実や考え方(学説)は、過去の人々が様々な自然環境や社会の枠組みの中でどのような選択を下して行動したかを明らかにし、将来の満足度・幸福度の向上に教訓として生かされます。

 このように、経済学は、数学、統計学、コンピュータ・サイエンスといった自然科学や、歴史学や社会の枠組みを構成する法的・行政組織的思考などの社会科学の両方を駆使して長期的視点から難題を解決に導いて行く、前向きに挑戦する学問なのです。

わが経済学コースの特色

1.質の高い授業

 第一に、国内の著名大学は言うに及ばず、世界トップランクの大学で博士号を取得した教員が各々の研究成果に根差した質の高い授業を提供している点です。問題の解明や処方箋の提示は、広く深い学問的基盤と内外の新しい研究成果に裏付けられ、進化する必要があります。こうした基盤と進化は、少人数で構成されるセミナーでの積極的な報告・討論や講義科目を通じて教授されます。


2.複数の講義科目を英語で提供

 二つ目の特色は、複数の講義科目を英語で提供することです。もちろん、学生のみなさんにとって、大学で学ぶうえで最も重要なことは、授業の内容を理解し、学問の本質を理解することです。しかし、グローバル化が進んだ今日、みなさんにとって、学部の段階から英語で講義される専門的な内容にふれることは、将来、国際的な環境のなかで活躍するうえで間違いなく役立つはずです。


3.成績優秀者を対象とした「経済学特進プログラム(3年終了時卒業制度)

 第三の特色は、成績優秀者を対象とした「経済学特進プログラム(3年終了時卒業制度)」です。このプログラムは、受験時点ですでに経済学を専攻することを決めている学生や、一日も早くビジネスの世界や経済専門職・研究者の道へ進むことを希望する学生を対象にしています。希望者は、所定の要件を満たすことを条件に、3年次終了時点での早期卒業が認められます。また、将来、海外の大学院へ進学することを希望する学生にも適した制度です。


将来の可能性

 経済学コースは、卒業生の様々な可能性を想定して設置されています。卒業後、一般に就職することを予定している方にとっても、将来、国際的な環境のなかで活躍することを想定した授業形態やカリキュラムが用意されています。またエコノミスト、すなわち国際機関や官公庁の経済専門職、さらに大学の教員やシンクタンクなどの研究者を目指す方にとっても、英語での授業や経済学特進プログラムは、国際性を涵養し、専門的な知識を深める点で国内や海外の大学院への進学に適した内容を備え、将来の活躍を支える役割を果たすでしょう。

カリキュラムツリー

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